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夏競馬は芦毛が強いという意味の競馬格言があるんです。理由は要するに黒い毛の馬は日光を吸収する色なので暑いし、白い毛の馬は日光を反射する色なので暑くならない。
芦毛というのは白っぽい色の毛色なので、夏競馬には強いだろうという理屈です。
こんなものは検証するまでもなく、夏場の直射日光の当たる屋外で、黒いTシャツと白いTシャツを来てしばらく立ってれば誰にでもわかる簡単な理屈ですよ。
いちいち検証するまでもありませんが、以下のデータをご覧ください。
毛色 | 勝率 |
---|---|
鹿毛 | 7.0% |
栗毛 | 7.2% |
黒鹿毛 | 7.3% |
青鹿毛 | 7.8% |
芦毛 | 7.1% |
青毛 | 7.5% |
栃栗毛 | 7.9% |
はい、ご覧のように芦毛の馬の勝率が際立って高…くないですね!誰ですか夏は芦毛が強いとかいい加減な事を言った人は!むしろ毛色ランキングで言えば下から2番目で弱い方じゃありませんか!
夏競馬は牝馬がなぜ強いのかデータで格言を検証の時のように、元々大した事の無い勝率が夏場だけ普通レベルになる…というわけでもありませんでした。
ただ、上記の表は過去5年間の中央競馬のデータなんですが、もしかしたらたまたま芦毛だけ人気薄の馬ばっかりだったという可能性もありますから、1番人気に限定して改めて数値を調べてみる事にしましょう。
毛色 | 勝率 |
---|---|
鹿毛 | 32.1% |
栗毛 | 33.4% |
黒鹿毛 | 31.9% |
青鹿毛 | 34.1% |
芦毛 | 31.8% |
青毛 | 28.2% |
栃栗毛 | 30.8% |
なんと1番人気に限定しても毛色別の勝率には大差がありません。念の為2番人気、3番人気、4番人気…と人気を区切って見てみましたが、特に下位人気になるほど芦毛が穴をあけている…という傾向は見られませんでした。
ちなみに1番人気馬の平均的な勝率については競馬 単勝 人気別 勝率 連対率 複勝率 中央地方データに書いているので、比較してみてください。
他にも距離だとか、競馬場別だとか、それから馬体重が大幅に増減している馬だとか、色んな角度から見てみましたが、特に芦毛が優位になる条件は見当たりません。
確かに私の長年の競馬経験から言っても、夏場に「また芦毛か!」みたいなシーンに遭遇した記憶がありません。むしろ毛色と夏場の成績にはあまり相関が無いと言われた方が「そうだろうな」と納得できるぐらいです。
競馬場と言えども馬は常に直射日光を浴びる場所にいるわけではありませんし、体温の管理なんかは調教師や厩務員さんたちもケアしているでしょうから、毛色により日光からの影響が違うと言っても、競走能力に支障を来すほどでは無いのでしょうね。
ちょっと話が本筋からずれるかも知れませんが、芦毛が生まれるためには仔馬の両親の少なくともどちらか片方が芦毛で無ければ生まれません。両親ともに芦毛であっても芦毛の仔が生まれるとは限りません。
白毛のソダシは父が芦毛で、母が白毛です。
もしかすると、大昔は中央競馬と言えども、馬の暑さに対するケアが未熟で、芦毛の馬に有利だった時代もあったのかも知れません。
しかし、馬に関する科学も発達した今は、毛色だけで有利になる時代では無い事は間違いないでしょう。
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