競馬空気抵抗の考察 風の抵抗とスリップストリームについての実験結果

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今回は競馬の空気抵抗について考察してみたいと思います。

モータースポーツの世界では他車の後方に接近する事で空気抵抗(風の抵抗)を減らし、前方の車両と同等のエネルギーで、前方の車両より速い速度を出す事が可能になる「スリップストリーム」というテクニックが存在します。

例えば空気抵抗さえなければ、50ccの原付エンジンであってもギアを一般的な市販車の6速ではなく7速…8速…9速…と増やしていけば、理論上は100km/hでも200km/hでも出せるわけです。

まったくの余談ですが昔HONDAの50ccにMBX50というのがあったんですが、当時はリミッター装置がなく、平地であれば80km/hぐらいは普通に出ていましたし、後継にあたるNS-1でも130km/hぐらいまでは(改造によって)出せたようです。

誰でも自転車をこいでいる時に向かい風で苦労した経験があるかと思いますが、サラブレッドは60km/h程度の速度で走るので、当然同じように空気抵抗は発生し、競走能力に影響を与えます。

問題は前方の馬が風を切った事によって、その後方にいる馬にとって空気抵抗の減少効果があるのかどうか、今回のテーマはそこです。

馬の細い体でスリップストリームが発生するのか?

馬の胴体は自動車よりは細いですが、バイクや自転車でもスリップストリームを利用しているのですから、サラブレッドの体でも充分スリップストリームを利用できるのでは無いでしょうか?

競馬の空気抵抗について書かれた英語の論文があるみたいなんですが、難しすぎて私にはさっぱり読めません。あれを読む苦労を考えたら自分で実験した方が早そうです。

なので、実験する事にしました。

競馬のスリップストリームについての実験内容

まず、発泡スチロールで馬に騎手が騎乗している状態の模型を2つ作成しました。それを並べて前方から煙を吹き付ける事によって、煙がどのような動きを見せるのか、これを観察する事にします。

競馬空気抵抗1

実際に実験している写真や動画を撮影出来ればよかったのですが、この自作の実験装置に装着したプラスチックのカバーが光を反射して、私やカメラが映り込み煙の様子がうまく見えません。

なので私が目視で観察した内容をイラストで再現したいと思います。

結論から言うと、競馬でもスリップストリームは発生しています。実際の煙の動きを表現したのが以下のイラストです。白い線の矢印が煙の流れですね。

競馬空気抵抗2

明らかに後方の馬は前方の馬と比べて少ない空気抵抗で走る事が可能だとわかります。

この事から考えると、トントン騎乗とか、ダンス騎乗と呼ばれる馬上でジョッキーが体を起こす騎乗法は空気抵抗の面だけで言えば若干不利になる可能性はありそうです。ただ、あの騎乗法をする事によって、別のメリットが発生するのであれば、一概に騎乗法を否定する事はできません。

それに、レースの終盤だけの話ですしね。追走している時は体を起こしていませんから。

ちなみに、騎乗姿勢がスマートな福永祐一や武豊の勝率順位が高い一方、川田将雅や岩田康誠と言った、お尻をトントンさせる騎乗スタイルの騎手も並び、時々騎乗スタイ ルの是非が議論される事があったり、否定的な意見もあったりします。

「スタートをちゃんと決める」とか「まっすぐ走らせる」とか「抜け出しやすいポジションを確実に取る」と言った、ごくごく当たり前の事の方が騎手の成績に大きな影響を与えると思いますけどね。

以前、藤田伸二騎手が著書の中で、岩田騎手の騎乗は馬を傷めるから認めないと書いていましたが、2014年の5月17日までの実績で、岩田騎手は345レースに騎乗して故障で競走中止した回数はゼロでした。

また、一方の藤田騎手も2014年は現在まで223レースに騎乗して、競走中止は1回だけ。その1回も右肩跛行なので騎乗スタイルが原因によって壊れたと は言いがたいし、レース映像を見るとスタート直後から行きっぷりが悪く、レース前から隠れた異常があった可能性が高いと言えます。

つまり、岩田騎手の激しい騎乗スタイルが馬を傷めると言うのは2014年の統計データ上では、そのような傾向は認められないし、反対に大人しく乗っていさえすれば故障しないと言うものでも無いようです。

逃げ馬の二番手が有利なのか?

話を元に戻しますが、実験により競馬でもスリップストリームが発生する事はわかりました。では、例えば逃げ馬の真後ろにぴったりとくっついて二番手を走るのが有利なのか?というと、そうとも言い切れません。

例えば進行方向に向かって追い風ならば逃げた馬であっても向かい風の時と比べて風圧は小さくなりますし、進行方向に向かって斜めからの風であれば、ぴったり前方馬の真後ろに付けるより斜め後ろの位置を走った方が良い場合も考えられます。

また競馬特有の問題として、前方の馬が蹴り上げた土や砂が後方の馬には飛んで来る事もありますし、空気抵抗を考えすぎて前方馬の後方にいたら、前と横を塞がれて進路が確保出来なくなってしまうようなリスクもあります。

このあたりの「空気抵抗をとるのか」それとも「スムーズな競馬をとるのか」はジョッキーの判断次第でしょうし、どちらが正解とも言い難くケースバイケースでしょう。

内枠から馬群の中で脚を溜めて、直線抜けだす…という作戦は距離ロスも少なく、空気抵抗の恩恵もあり、最高の作戦ですが、その分進路が塞がれるリスクもあります。

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